井上こどもクリニックを受診されたお子様とご家族の皆様へ 

出生順と突発性発疹発症月齢の研究について 

井上こどもクリニックは下記の研究を実施するため当院の電子カルテ内に既にある診療情報を匿名化し、学会や学術雑誌に研究報告を行う予定です。以下に研究の概要を公開いたします。本研究は、突発性発疹の感染性経路の解明と日常診療における有用なデータを見つけることを目的として実施するものです。何卒ご理解いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

1. 研究課題

出生順と突発性発疹発症月齢

2. 研究の目的

突発性発疹は3日間前後の発熱の後全身に発疹が出現する乳幼児で比較的よく見られる感染症です。発症月齢は4か月から4歳ごろまでで、発症のピークは1歳過ぎにあります。原因ウイルスは、ヒトヘルペスウイルス6Bやヒトヘルペスウイルス7で、前者は臨床的に初めての突発性発疹、後者は二度目の突発性発疹として経験されることが多いとされています。
突発性発疹の主な感染経路は、過去に突発性発疹にかかったことのある成人やお子さんの唾液経由であると推測されていますが正確なことはよくわかっていません。最近は、家庭内の年長児から感染する可能性が高いというデータも発表されています。これが本当であれば先に生まれたお子さんよりも後に生まれたお子さんのほうが突発性発疹発症月齢は早くなるはずです。しかし、出生順に着目して突発性発疹の発症月齢を解析した報告はありません。この推論を確認することにより、家庭内の年長児から年少のお子さんに感染するという仮説の根拠の一つになります。また、お子さんの出生順による分布がわかれば小児科医が発熱したお子さんを見る際の貴重なデータにもなると思われます。
本研究は、当院の電子カルテ内の情報を用いて、出生順と突発性発疹発症月齢の検討をすることを目的としています。

3. 研究の対象

2018 年1月から2021年12月の間に当院で初めての突発性発疹と診断した5歳未満のお子さんを研究対象とします。 当院での対象は1年間あたりおおよそ100人です。 

4. 研究の方法

突発性発疹にかかったお子さんの背景を示すため、電子カルテ内から診療情報(初めての突発性発疹と診断した発症月齢、性別、体重、出生体重、在胎週数、既往歴(過去にかかった病気)、診察所見、毛細血管採血検査結果、発症年度)を集計し、個人情報を削除した匿名化データを作成します。その後、出生順によって初めての突発性発疹発症月齢に違いがみられるかを調べる予定です。
出生順の突発性発疹発症月齢を調べることがこの検討の第一の目的ですが、合わせて、コロナ前(2018年-2019年)とコロナ禍(2020年-2021年)、あるいは早期産児と満期産児で突発性発疹発症月齢の違いがみられるかについても調べようと考えております。
検討により何らかの知見が得られれば、その結果を学術雑誌や学会などで公表します。しかしながら、その際、個人を特定できる情報は一切公表されません。

5. 研究結果を利用するものの範囲および診療情報の管理についての責任

研究結果の利用は井上こどもクリニック院長(井上佳也)およびその共同研究者に限ります。 井上佳也は共同研究者と論文を作成する前に、あらかじめ個人情報を削除し匿名化を行います。これら診療情報の管理についての責任は井上佳也が負います。

6. 研究組織

井上こどもクリニック  井上佳也
たむらこどもクリニック 田村一志
いちごこどもクリニック 渡邉正之
パルこどもクリニック  友政 剛

7. 予定研究期間

日本外来小児科学会倫理委員会承認日から2023年3月31日までを予定しています。

8. お問い合わせ先

本研究について同意いただけない場合は、お子様またはその保護者など代理人の求めに応じてお子様の診療情報や検査結果の利用を停止することができます。お手数ですが、不同意確認書に署名し、受付にご提出をお願いします。不同意確認書を提出されても、お子様の診療に何ら影響することはなく、診療上の不利益を被ることはありません(ただし、分析による統計データがすでに公表されている場合等、除外に応じられないことがあります。)。不同意確認書の提出がない場合は、同意いただいたものとさせていただきます。小さいお子様の受診が中心のため、保護者の方にご判断いただいておりますが、のちにご自身で判断できる年齢になり、ご本人からのお申し出がありましたらその意思を尊重させていただきます。不同意確認書は、外来受付近くに常備しております。また、ページ文末「不同意確認書 PDF版」からもダウンロードできます。ご不明な点がありましたら当院(048-580-6022)までお問い合わせください。  

井上こどもクリニック院長 井上 佳也

不同意確認書PDF ダウンロード >>